ヨーロッパで自転車に乗る

ヨーロッパで自転車に乗る

サイクルロードレースの本場・フランスに2年間も留学したものの残念なことに当時は自転車には興味がありませんでした。
留学中に7月をパリで過ごす機会があって、お金も無いのでブラブラ歩いていたら人だかりができていて、覗いてみると恐ろしいスピードで自転車に乗った選手達がやってくるところでした。あとで知るのですがツール・ド・フランスをその時に初めて見たのでした。
日本に帰国してもそんな光景は日常で見ることがなかったので、仕事をしているうちに記憶も段々薄れていきました。ランス・アームストロングが活躍して(いたと思われた)、衛星放送でも見られるようになったので友人から見るように誘われたものの、当時はオンラインゲームで友人や海外の見知らぬ人とゲームをするのに夢中だったのが今思えば勿体無いなぁと感じたりします。生で見ていないのでランスの事件は比較的他人事のように感じられますけどね。

このところ過去の紙焼き写真をスキャンしてデジタル化するようになって思い出したのですが、20歳の時にベルギーのブルージュで自転車を借りて運河沿いを走ったことがあります。ダムという村までの短い距離でしたが、ひたすら真っ直ぐな道が運河沿いに伸びていて終わりがないような錯覚に陥りそうになりました。たった9kmくらいでしたけど水もたいして持っていなかったので、村に着いたら他の自転車乗りの人に混じって速攻でホワイトビールを飲みました。言うまでもなく最高のビールでした。
自転車はママチャリの古い感じのもので整備も適当なものだったので空気圧も低かったと思います。今もしロードに乗れるならドーバー海峡まで行けそうな気さえします。

ベルギーのブルージュから運河沿いを自転車で。
ベルギーのブルージュから運河沿いを自転車で。

前にも書きましたが、僕が自転車に興味を持つようになったのは2006年のことです。仕事が生きがいということに何の疑問も持たずに働いてきたのですが、ある時から会社に行くと目眩がしたり涙が止まらなくなったりして家族のすすめで心療内科の先生に相談したところ「うつ」だと言われました。会社には復帰するつもりで2ヶ月休職したのですが全く回復する気配がなかったので泣く泣く退職しました。
退職してから抜け殻になっていた僕を友人がロードバイクに誘ってくれて、以来自転車が好きになりました。
フランス留学中にホームステイで大変お世話になったマダムから「何もしてないんだったら家においでよ」と誘われてフランスへ何度も行きました。調子が悪い日はフランスでも部屋で一日中寝ていたりしましたが、元気な日は先立たれたご主人の遺したフルオーダーのクロモリのロードに乗りました。
僕が住んでいたオルレアンはロワール川が流れていて、川沿いには中世からフランス王家や貴族達が造った城がいっぱいあります。シャンボール城やシュノンソー城など有名なものから個人所有のものまで数知れずあります。近くのお城までの道は快適でしたが、後で森を抜ける最高なルートがあると言われたもののマダムは最近こっそりご主人のところへ行ってしまったので今度走る時は自分で探すことにします。

エウスカルテルのボトルは現地調達。
エウスカルテルのボトルは現地調達。
最初は感動するけど慣れると何でも無いフランスの風景
最初は感動するけど慣れると何でも無いフランスの風景
La Ferte St-Aubinのシャトー。
La Ferte St-Aubinのシャトー。

そして2017年はスマホで自転車レンタルを登録して乗るサービスがフランス全国で普及していました。パリのVelib(ヴェリブ)をはじめ、最初はどうかなぁと思っていた自転車サービスも実際に借りてみると整備がしっかりと定期的にされているようで、空気圧もパンパンで走りやすかったです。もっとも、今回ランチパーティーをやった場所までこの種のレンタルサイクルで走ってくる人はいないようで、代わりにクロスバイクのレンタルがかなり普及していました。ステムにはご丁寧にロワール川沿いのルートを示したマップがラミネート加工で取り付けられていて、主にドイツ人ファミリーに好評のようでした。後で知るのですが、もっとキチンとしたロードバイクのレンタルサービスも当然多数存在しており、例えばあるサイトだとトレックのエモンダS5クラスだと1日45ユーロから借りられるようです。自分の愛車を持って行くのが一番理想的ですが、少し走ってみるにはネットで検索してみるのも良いかも知れません。

借りたのはオルレアンの「Velo+」。よく走ります。
借りたのはオルレアンの「Velo+」。よく走ります。
Velo+は市内観光に向いてます。遠出すると帰るのが大変でした…。
Velo+は市内観光に向いてます。遠出すると帰るのが大変でした…。
郊外の堤防を走ると気持ちがいい!
郊外の堤防を走ると気持ちがいい!
ロワール川支流のロワレの美しいこと!
ロワール川支流のロワレの美しいこと!

乗る自転車は様々ですが、ヨーロッパで自転車に乗れる機会が段々増えてきているように感じます。交通ルールなど事前に勉強して安全で楽しいサイクリングをしてみてはいかがでしょうか。きっと自転車に乗らないとわからない経験や記憶に残るような景色に出会えることと思います。